Hasi-Watasiでは、掲載しているブランドやスポットが有機JASを取得しているかどうかを記載しています。「有機」「オーガニック」という言葉を、どこまで信じていいのか——その手がかりになるのが、この有機JASという国の認証です。ここでは、有機JASがどんな制度なのか、そして「無農薬」「特別栽培」といった似た表示とどう違うのかを整理します。
認証名
有機JAS(ゆうきジャス)/ 通称:有機JASマーク、オーガニック認証
認証の概要
国(JAS法)が定めた基準を満たした有機food品だけに付けられる、日本で唯一「有機」「オーガニック」と名乗ることができる公的な認証です。
認証の内容
有機JASは、JAS法(日本農林規格等に関する法律)にもとづく国の制度です。農林水産大臣に登録された第三者機関(登録認証機関)が生産の現場を検査し、基準を満たした事業者だけが有機JASマークを使えます。ポイントは、認証されるのが「できあがった商品」ではなく、その食品が作られるまでのすべての生産行程(システム)だということです。そのため毎年1回の検査で、作り方そのものが基準を守り続けているかが確認されます。
認証の対象
有機農産物/有機加工食品/有機畜産物/有機飼料/有機藻類 の5分野です。加えて2022年(令和4年)10月からは、有機酒類(日本酒・ワイン・焼酎など)にも有機JASマークを表示できるようになりました。
認証基準・チェックされること
有機JASは対象の分野ごとに基準が定められています。共通するのは「遺伝子組換え技術を使わないこと」「化学的に合成された農薬・肥料・添加物などに頼らないこと」「登録認証機関による年1回の検査を受けること」、そして「認証されるのが商品単体ではなく生産の全行程だということ」です。分野ごとの代表的な基準は次の通りです。
- 有機農産物:種まき・植え付けの前、2年以上(多年生は3年以上)禁止された農薬・化学肥料を使っていない田畑で育て、栽培期間中も化学農薬・化学肥料を原則使用しないこと
- 有機加工食品:原材料の95%以上(水・食塩を除く)が有機であること。化学的に合成された食品添加物・薬剤を極力避け、他の食品の混入や汚染を防ぐこと
- 有機畜産物:有機飼料を与え、動物用医薬品の予防的な投与を避けること。放牧など、動物にストレスの少ない環境で飼うこと
- 有機飼料:原材料が有機で、遺伝子組換え技術を使わないこと
- 有機藻類:生育・採取する環境を管理し、化学的な資材に頼らずに育てること
運営団体・発行元
制度の所管は農林水産省です。実際の検査・認証は、農林水産大臣に登録された登録認証機関(複数の民間機関)が担います。
対象地域
日本国内の制度です。輸入食品も、日本で「有機」「オーガニック」と表示するには有機JASマークが必要です(他国の有機認証マークがあっても、それだけでは表示できません)。ただしEU・スイスなどとは「有機同等性」の取り決めがあり、一定の条件で相互に有機として扱えます。
似た表示との違い
有機JASと混同されやすい表示を整理しておくと、選ぶときの判断材料になります。
- 「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」:これらは2003年(平成15年)の表示ガイドライン改正で表示禁止になりました。「無農薬」は残留農薬ゼロと誤解されやすく、「減農薬」は削減の基準があいまい、というのが理由です。現在、農薬を使っていない場合は「農薬:栽培期間中不使用」などの具体的な表示が使われます。
- 特別栽培農産物:その地域の慣行栽培より、節減対象農薬と化学肥料をそれぞれ5割以下に減らして育てた農産物です。「減らす」ことが目的で、有機JASのように「原則使わない」制度とは別物です。
- 自然栽培:法律上の規定がない民間の概念です。名乗ること自体は自由ですが、公的な基準や検査があるわけではありません。
つまり、国の統一基準と第三者の検査に裏づけられて「有機」と名乗れるのは有機JASだけです。マークがあるかどうかが、生活者にとって一番確かな見極めのポイントになります。
補足・知っておきたいこと
有機JASマークのない商品に「有機」「オーガニック」やそれと紛らわしい表示をつけることは法律で禁止されており、違反は処罰の対象になります。一方で、小規模な農家などでは基準を満たしていても、認証にかかるコストの負担からマークを取っていないケースもあります。「マークがない=有機的でない」とは限らない、という視点も添えておくとフェアです。

